問題
失敗することについて、あなたなりの体験や具体例を挙げながら600字以内で書きなさい。
解説
まずは設問を分析して構成の流れを考えます。
構成の型については、こちらの 【小論文書き方講座 後編】 の動画で解説しているのでご確認ください。
今回の設問を再度チェックしてみましょう。
「失敗することについて、あなたなりの体験や具体例を挙げながら書きなさい」
となっています。
つまり問われていることは、
・失敗することについてのあなたの考え
・あなたなりの体験や具体例
です。
意見論述型(※ 【小論文書き方講座 後編】 動画で解説しております)をベースに構成を考えていきます。
課題文の要約 → 主張(失敗することについての考え) → 具体例(体験) → 結論
という流れで構成していきます。
各ブロックはこのように構成していきます。

この構成メモに文章を肉付けした600字の模範解答例はこちらです。
模範解答例
課題文によると、筆者らは野菜の栽培に失敗したが、見た目は悪くても自分たちで育てた野菜のおいしさに感動し、大切な体験につながったという。
私は、失敗することにはプラスの面があると捉え、社会において失敗を許容する環境をつくるべきだと考える。私は中学生の時、学習塾に通っていた。そこでは課題や宿題が厳密にチェックされ、わずかなミスでも講師から厳しく指摘される環境だった。次第に皆失敗を恐れるようになり、課題を自力でやるのではなく、人の力を借りるようになっていった。優秀な同級生のノートを丸写ししたり、家庭教師等に課題をやってもらったりすることが横行していた。また授業中の発言自体も消極的になり、あまり突飛なことを言わないようになっていった。そのように個人が失敗を過度に恐れ避けることで、自力で課題解決する機会を奪うことにつながりかねない。また画一的な意見が中心となり、結果的に集団の多様性が損なわれる。
もちろん場面や状況によっては失敗が許されないこともあるだろう。しかし失敗を一律に認めない環境では、個々のメンバーは失敗を恐れて隠す傾向が強まり、結果として問題の根本原因が解決されず、さらなる損失や被害を招く可能性がある。したがって、過度に失敗を恐れず、個人にとって心理的安全性の高い社会環境を整えることが重要だ。
松山の一言コメント
今回の出題のような「体験」を書くケースも小論文試験では多いです。体験を書く場合は、鉄則があります。それは「体験は必ず一般化せよ」ということです。一般化とは、その体験を通して一般的に何が言えるのか、をまとめることです。
今回の場合、学習塾での体験談を述べながら第二段落最後の部分で、「そのように個人が失敗を過度に恐れ避けることで、自力で課題解決する機会を奪うことにつながりかねない。また画一的な意見が中心となり、結果的に集団の多様性が損なわれる」と一般化しています。そしてこの一般化の質こそが体験を書く時に差がつくポイントです。「自力で課題解決する機会を奪う」「画一的な意見」「集団の多様性が損なわれる」など語彙力の有無が勝敗を分けます。ぜひこのような解答例を参考に、体験+一般化の訓練を積みつつ、様々なテーマや切り口に対応できる語彙力を身につけておきたいです。








