問題
課題文を読んだ上で、平和の実現についてあなたの考えを800字以内で書きなさい。
解説
まずは設問を分析して構成の流れを考えます。
構成の型については、こちらの 【小論文書き方講座 後編】 の動画で解説しているのでご確認ください。
今回の設問を再度チェックしてみましょう。
「平和の実現についてあなたの考えを書きなさい」
となっています。
つまり問われていることは、
・平和の実現についてのあなたの考え
です。
意見論述型(※ 【小論文書き方講座 後編】 動画で解説しております)をベースに構成を考えていきます。
課題文の要約 → 主張1(+理由・具体例) → 主張2(+理由・具体例) → 結論
という流れで構成していきます。
今回の解答例のように、「主張1だけでは不十分だ→主張2も大切だ」のような論の方向性でいく場合、この構成の型は有効です。
各ブロックはこのように構成していきます。

この構成メモに文章を肉付けした800字の模範解答例はこちらです。
模範解答例
課題文では、核保有国がさらに核開発を進めている現状に対し、日本が戦争被爆国として核兵器の恐ろしさを訴え続けることが必要だと述べられている。同時に、インターネットやSNSで戦争や平和を発信する取り組みは、世界を動かす原動力として期待されている。また日本の戦争加害の側面も含めた歴史教育の大切さについても筆者は指摘する。
課題文で述べられているように、日本として核兵器ひいては戦争の恐ろしさを訴え続けることは大切だ。そのことは、核兵器の使用が道義的に認められないとする「核のタブー」と呼ばれる国際的規範を強化し、平和維持や紛争解決のための国際協力を促進することに繋がる。但し、戦争の恐ろしさ、平和の大切さを国際社会に伝えるだけでは不十分だと私は考える。
平和の実現を考える上で、貧困・差別・難民など紛争や戦争を生み出しやすい社会構造自体にも目を向けるべきだ。例えば貧困地域では、水や食料、土地など限られた資源をめぐる競争が激化し、それが紛争に発展することがある。そのような状況下で、「平和が大事だ」といくら道徳心に訴えかけても紛争は収まらないだろう。その根幹の原因である貧困の問題に目を向けることが重要だ。国際社会で協力し、紛争や戦争の遠因となる社会の不安定さを解消するアプローチが求められる。
グローバル化による経済格差の拡大、資源価格の高騰などにより、社会の分断が広がり、人々の不満が各国に蓄積されている。そのような人々の不満は地域紛争や大きな戦争につながる火種になりかねない。戦争の悲惨さや平和の大切さを訴え続けると同時に、社会の安定化と人間の安全保障の観点から国際協力を推進することが、平和の実現には不可欠だと考える。
松山の一言コメント
今回のように課題文が非の打ちどころのない内容だと、課題文の内容に同調するだけの小論文になってしまいがちです。
しかし、「課題文の内容に賛成であり、戦争の恐ろしさを国際社会に向けて訴え続けるべきだ」を繰り返すだけの内容だとあまり高い評価を得られません。そこで自分なりの意見・考察を+αで加える必要があるのですが、その場合「課題文の不十分な点を指摘する」「課題文にはない新しい視点を加える」のが有効です。あくまでも一例ですが、「課題文の内容には賛成だ→しかしそれだけだと不十分だと考える→こんな観点も大事だ」のように論を展開していきます。
このような論の展開の仕方自体は、あくまでも枝葉の話に過ぎません。大切なのは、日ごろからニュースや小論文で狙われやすい頻出テーマについて、複数の観点で捉えられているか、ということです。例えば、今回であれば、平和の実現のためにどのようなアプローチがあるのかを複数の観点で調べたり考えたりしてみるわけです。道徳的な観点では「世界中の人に戦争の悲惨さを知ってもらう」という課題文のような内容が思いつくでしょう。また法的な観点ではどうか、経済的安定という観点ではどうか...のように考えていくと、徐々に多角的な視点で物事が見えるようになってきます。








