【小論文チャレンジ】「さん」付け推奨の是非

課題文から学ぶポイント

  • #大学入試
【小論文チャレンジ】「さん」付け推奨の是非

問題

課題文を踏まえ、学校や職場での「さん」付けの推奨についてあなたの考えを800字以内で書きなさい。

 

 

 

解説

まずは設問を分析して構成の流れを考えます。 
構成の型については、こちらの 【小論文書き方講座 後編】 の動画で解説しているのでご確認ください。

今回の設問を再度チェックしてみましょう。
「学校や職場での『さん』付けの推奨についてあなたの考えを書きなさい」
となっています。

つまり問われていることは、
・学校や職場での「さん」付けの推奨についてのあなたの考え
です。

意見論述型(※ 【小論文書き方講座 後編】 動画で解説しております)をベースに構成を考えていきます。

 課題文の要約 → 主張 → 理由・具体例 → 結論 

という流れで構成していきます。

各ブロックはこのように構成していきます。

この構成メモに文章を肉付けした800字の模範解答例はこちらです。

模範解答例

 課題文では、上司も部下も互いに「さん」付けで呼ぶ職場が増えているという。部下を尊重する風潮が強まり、部下とのコミュニケーションのやり方が変化していることが背景にある。「さん」付けは上下関係をフラットにし、ジェンダー中立性を高めるが、相手との距離感を生む可能性や日本語の表現を損なう懸念がある。また、言葉の広がりと共に「さん」の敬意が薄れる可能性もあると指摘されている。
 私は、学校や職場において「さん」付けの統一を推奨することに賛成である。特に、コミュニケーションの公平性・透明性という観点から「さん」付けが望ましい。課題文では、「さん」付けの懸念点として相手と距離を置く働きを挙げつつ、「くん」付けは親しみを表す手段になり得るとしている。しかし、「くん」付けや呼び捨ては、ある特定の属性や人と距離感を縮めるだけであり、公共性の高い集団におけるコミュニケーションのあり方としては不適切だと考える。例えば、職場において上司が特定の部下に対して「くん」付けや呼び捨てをすることで、その部下とは仲が深まるが、他の部下との距離感に大きな差が生じる可能性がある。それにより、部下の評価や上司への意見のしやすさに影響が出ることも考えられる。学校や職場などでは、教師と生徒、上司と部下の間に明確な上下関係、力関係が存在する。そのような中で特定の人だけが特別扱いされることを避けるためにも、「さん」付けの統一を推奨し、全員に対して同じ基準で接することを示すべきであろう。
 確かに「さん」付けによって、1人1人と距離を感じるかもしれない。ただ学校や職場など公共性の高い場面では、コミュニケーションの公平性・透明性を重視すべきだ。そのことによって、かえって議論が活性化したり、集団内の不公平感や分断を防ぎ信頼関係を構築することに繋がるはずだ。

松山の一言コメント

 今回一番お伝えしたいのは、課題文型小論文の課題文から学べることが多いということです。今回の課題文では、敬称である「さん」付けが隆盛している現象について、その背景、良い影響・悪い影響、言語学の視点など様々な観点で分析しています。このような多角的な分析を読むだけでも、小論文の良い学習になります。
 また今回の記事では、言語学者の大学教授の見解が登場します。大学の先生がどういった視点で物事を見ているのか、世の中の現象を分析しているのか、をチェックしておくのは重要です。なぜなら殆どの場合、(大学入試において)小論文を出題し採点するのは大学の先生だからです。入試の過去問や日経電子版などの新聞記事で、大学教員の意見に触れることは、小論文の発想や切り口を高めるために有効です。

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