課題
・探究活動を進めるうえで、信頼できるソースから正確な情報を取得させたい
・新聞という「正確性のフィルター」がかけられた文章に触れさせたい
・日経電子版は大人だけでなく中学生でも興味を持って読めることを知ってほしい
探究活動の「確かな情報源」として日経電子版を導入
私立捜真女学校 中学部・高等学部の創立は1886年。神奈川県横浜市の、歴史あるミッションスクールとして、キリスト教の教えを基盤に生徒一人ひとりの個性や能力を尊重する教育を大切にしている。中高6年間を通して、実践的な英語教育や「言葉を使って生きていく力」を育む国語学習、さらに独自の探究型プログラム「捜真Vプロジェクト」などに取り組んでいる。2017年から始まった「捜真Vプロジェクト」の「V」はValue(価値)を表し、「10年後の自分」を主題として進める6年間の中高縦断プログラムだ。例えば中学3年生のテーマは「職業」。生徒は興味のある職業について調査、実際にその職に就いている人にインタビューも実施してレポートにまとめる。高校1年生のテーマは「身近な課題を見つける」、そして高校2年生はさらに視野を広げて「社会課題」に取り組んでいく。
こうした探究学習の活動を行っていくうえで懸念されていたのが、生徒たちの情報収集技術だった。国語科を担当する稲川さつき教諭は、「生徒たちはインターネット上で活字化された情報を、信ぴょう性を確かめることなく根拠としてしまう傾向がある」と話す。高校2年生は自ら発見した社会課題の解決策を考え、学年末にポスターセッションで発表する。その際「選んだ課題が比較的新しいもので、取り上げている書籍なども少ない場合、自分の考えを裏付ける確かなエビデンスを見つけることは簡単ではない。生徒に『その主張・意見は、どのような根拠から導き出されたものか』『参考文献は』と尋ねると、答えられない生徒が少なからずいた」と、振り返る。
そんな折り「日経電子版 for Education」の存在を知り、「タイムリーな話題にも対応でき、出典も確かな新聞は情報源として最適」と考え導入を決めた。人数制限なく利用できるという点にも魅力を感じたという。日頃から日本経済新聞を購読している稲川教諭は、「日経は大人が読むイメージがあるが、朝刊『文化』面や夕刊のコラムなど、生徒にもなじみやすいコンテンツは多い。国語教諭としてそうした文章に触れさせたい、中学生から新聞に慣れ親しんでほしいという思いもあった」と話す。

「日経電子版の読み方・使い方講座」で生徒の活用頻度が格段に向上
中学3年生の「捜真Vプロジェクト」を担当する金子愛教諭は、「生徒は興味ある職業についてレポートを作成する際、日経電子版で最新の状況を調べたり、記事に掲載された数値データを用いてその職業を分析するなど、幅広い用途で日経電子版を使っている」という。さらに「社会人にインタビュー取材をする時も日経電子版が重宝した。取材を受けてくれる企業が見つからず困っていた生徒をサポートするため、日経電子版の『業界一覧』から多くの取材先候補企業を提案、無事取材を進められた」とのことだ。

電子版の活用が着実に広がる同校だが、2023年に導入してすぐに生徒全員が日経電子版に馴染んだわけではない。「まだまだ使いきれていない生徒がいる」と考えた稲川教諭は、高校1年生の授業冒頭で「最近、日経電子版で気になった記事」をスクリーンに表示し、記事に触れる環境を整えた。「例えば身近な食の話題や、高校2年生であれば大学入試関連の記事などは生徒も関心を持つ。『日経は大人のもので自分たちには関係ない』と情報をシャットアウトしないよう、教員側から積極的に記事を提示していきたい」と話す。
さらに2024年度は中学3年生、高校1年生、高校2年生を対象に、日経社員による「日経電子版の読み方・使い方講座」をオンラインで実施した。まずはじめに生徒が一斉に電子版の初回登録をおこなえるよう講師がレクチャーしサポート。さらに効率的な検索テクニックから「Myニュース」を使ったカスタマイズ、記事内の図表のダウンロード方法、記事引用時の基本的なルールまで、即使える実践的な内容を伝えた。
稲川教諭は「教員ではなく外部の方から、具体的な活用法を話していただいたことで生徒の印象に強く残り、今年度は日経電子版の活用が格段に向上した。今後、大学や社会でも必要な、正確な出典記載や引用の方法も今のうちに学べて良かった」と語った。
新聞という「正確性のフィルター」がかけられた文章を読む意義は大きい
これらの取り組みによって、2年目となる2024年度は日経電子版を導入した効果が生徒の成果物にも表れ、手ごたえも感じているという。
「これまで中学3年生の『捜真Vプロジェクト』では、引用データの正確さに欠けることなど、課題も多かった」と、金子教諭は話す。電子版のレクチャーを受けた後は「正しい引用の記載方法や読み方・使い方のポイントを学んだことで、単に記事を読むだけではなくて、例えばデータをそこからピックアップして参照する、という使い方が上手にできるようになった。参考元を明確に書く意識が芽生えたと感じている」と、生徒の成長を感じている。「生徒は活字だとどんな情報でも正しく見えてしまう」という課題を感じていた稲川教諭も「新聞のようにきちんと正確性のフィルターをかけられた文章を、生徒たちがしっかり読めるようになった意義は大きい」と話す。

教員も楽しく利用でき、授業のヒントや新たな学びに繋がる
稲川教諭は個人で日本経済新聞を購読しているが「『日経電子版 for Education』導入後は自宅で日経を読んでいても『これは授業で使える』と、アイデアが閃くことが増えた」と話す。金子教諭は「世界を広げる窓口として日経電子版は最適だった」と話す。
同校では現在「捜真Vプロジェクト」のほか、高校1年生の国語の授業や「スタディホール」と呼ばれる自主学習の時間にも取り入れているが、稲川教諭と金子教諭、共に今後さらに学内の学習や活動で電子版活用が拡大することを期待している。
金子教諭は「使い始めたら色々な出会いや示唆があり、生徒だけでなく教員も楽しく利用し、勉強にもなっている。本校では、すでに複数の教科の教員が日経電子版を導入しているので、教員自身が使い慣れていくことで、他の教科の授業にもどんどん取り入れてほしい。そして、生徒たちが『この授業で出た話題に興味があるから、日経電子版で調べてみよう』と、日経電子版を通して資料を検索する力をつけ、興味関心を深めていってほしい」とした。

捜真女学校 中学部・高等学部
学年:中学3年生、高校1年生、高校2年生
教科:総合的な学習の時間、総合的な探究の時間、国語
授業者:稲川さつき 教諭、金子愛 教諭








