石川県立金沢二水高等学校授業レポート

データの扱いを「投資」で学ぶ

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石川県立金沢二水高等学校授業レポート

データの扱いを「投資」で学ぶ 

 大和証券グループと日本経済新聞社は2023年12月6日、石川県立金沢二水にすい高等学校(石川・金沢市)で共同授業に取り組みました。高校2年生を対象に、「情報科」の科目で株式市場における具体例をもとに情報やデータの取り扱いを学ぶ講義を実施しました。
 この授業は日経電子版 for Educationが目指す、「生徒たちに『新しい学び』を得てもらう機会の創出」のために、大和証券グループと日経が共同制作した教材を用いたものです。

 大和証券グループは生徒たちの金融リテラシーを向上させ、将来を切り拓く力を身に着けてもらうことを目的として金融経済教育の推進に取り組んでいます。しかし現代教育はまだ変遷の過程で金融経済教育を実際に生徒たちが学ぶ機会が決して多くないことが課題です。
 22年から高校生の家庭科で金融経済教育は必修となり、また「公共」などの科目で経済の学習があります。ですが多くの学校で「お金」に関する学習はカリキュラム全体の中で決して大きなウェイトを占めていません。

関連が薄そうな科目で投資を学ぶ

 金融経済教育は実際の資産形成だけでなく、生徒たちのキャリア設計にも関わる重要な学びですが、一方的に押し付ける形では生徒からも教育現場からも理解は得られません。
 そこで、一見すると金融経済教育と関連が薄い科目で「投資」などをテーマとした学びを創り出すことで、金融経済教育の「面」を増やす試みに大和証券グループと日経で挑戦しました。

 今回の挑戦にご協力いただいたのは金沢二水高校の山森啓弘先生です。山森先生は教員になる前にITの事業を立ち上げた経験があり、現在は同校で情報科の教鞭をとっています。前任校では生徒たちに仮想の資金を運用する「投資シミュレーションゲーム」を生徒に体験してもらうなど、独自の金融経済教育に取り組まれてきました。

 山森先生は情報科の授業を通じて、4月からデータ分析の手法や統計学の基礎などを指導してきました。今回山森先生に監修いただき、約2カ月かけて定性・定量的な情報が株式市場を動かしている様子を題材とした教材を新たに制作しました。
 教材開発を主導し、実際に金沢二水高校で授業をしたのは大和証券の森本裕貴氏です。個人投資家向けにマーケットの動きを予測・解説する業務に携わっており、「情報を見定める」ことに関する専門家といえます。「教材作りにあたって、『情報科』の教科書を購入してみたが予想以上に広範囲で深い内容なのが印象的だった」(森本氏)

「やせ薬」が影響を与える業界は?

 授業では、米国で流行している肥満症治療薬を手がける米製薬大手イーライリリーの株価上昇の話題から始まりました。「飲むとやせる薬」の大流行によって製薬業界だけでなく、アパレルや航空など幅広い業界が恩恵を受けると期待されています。その理由を生徒たちに問うと「痩せて美容に気を遣うようになる」「輸送に飛行機を使うから」といった的確な意見が飛び交いました。森本氏から「肥満という複数の病気の原因が解消されることで、寿命が延びる期待から介護業界の株価も上昇すると予想されている」と別の視点からの解説があると、教室内からは驚きの声も。森本氏は「定性的な情報は様々な解釈ができる。真偽がつきにくいので『疑う力』が大切だ」と強調しました。

「やせ薬」の流行自体が初耳だ、という生徒も多かった

 続けて定量的な情報の例としてファンダメンタルズ、テクニカルの解説に。イーライリリーの10年分の損益計算書を生徒に配布した上で、情報を組み合わせること、俯瞰してみることの重要性を生徒たちに伝えました。「想像力を働かせ続け、情報を上手く活用することは投資だけでなく普段の暮らしでも大切だ」(森本氏)。

 授業後のアンケートでは「データだけでなく人間心理も株価形成に影響するのは意外だった」といった声も。「やや難しかった」と回答する生徒が半数程度いる一方で、「NISAについてもっと知りたい」「何を判断基準に企業に投資するのが良いのか」など投資に関する興味が高まったことが分かる感想が集まりました。  金沢二水高校2年生の番匠(ばんしょう)結菜さんもその一人で、「親は投資にあまり興味がないようで家族の話題に上がることも少ないが、私自身は将来的に挑戦してみたいと強く思った」と話してくれました。「安くなった時に買うといった判断をするための知識をこれからも身に着けていきたい」(番匠さん)。

見慣れない損益計算書を手にしながらも積極的に意見交換する生徒たち

 授業の監修だけでなく、実際に同じ教材で他のクラスの授業に取り組まれた山森先生は「プロが話すことで生徒の目つきが変わった」と話します。「今の生徒たちは将来への危機感からか『投資』に対する興味は非常に強い。ただ、その興味は良い方向にも悪い方向にも出る場合があり、よくわからないまま投資を拒否してしまうこともある」(山森先生)。

 これまで山森先生はメリットとデメリットをしっかりと伝えたうえで生徒に投資シミュレーションゲームに取り組んでもらうなど、投資に対する興味や関心を適切に高めてもらう授業を設計してきました。「お金の動きを理解することで、経済や世界の仕組みを知ることができる」と山森先生は主張します。

 「公共」など社会系の科目の要素はもちろん、数学やときには文章を読み解く国語能力までもが、お金の動きをとらえ、投資などのかたちで自分のお金を動かすうえでは重要になります。今回の授業で用いた教材にさらに磨きをかけ、多くの教育現場で使ってもらうことを目指しながら、他の科目でも「投資」などをテーマとした教材作りを進めて金融経済教育の「面」を増やす取り組みを大和証券グループと日経は今後も続けていきます。

大和証券グループ

授業者:大和証券 エクイティ営業部 森本裕貴氏

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