全社員の閲読率8割を達成!
新聞を読むことを定着させ、関心事への探求力・思考力・文章力養成につながった仕組みとは

- 企業・団体名
- 菱東産業株式会社
- 業種
- 専門商社
- 利用用途
- 全社利用、人材育成
- 期待効果
-
- 社員のスキルアップ
- 発想力の広がり
- 従業員数
- 1~99名
- お話を伺った方
-
- 代表取締役社長 加藤 重信様
- 経営企画部長 柏戸 敬博様
- 目的
-
- 社長自身が日経新聞を読み、成長につながったと実感した経験から、「社員にも学ぶ機会、成長する機会として日経を読んでほしい」と考えた。
しかし、「自分で新聞を契約して読みましょう」呼びかけても定着は難しいと思い、そうであれば「皆が新聞を読める環境と成長出来る仕組みを会社が提供しよう」と考え、ライセンスを全社員へ付与した。
- 社長自身が日経新聞を読み、成長につながったと実感した経験から、「社員にも学ぶ機会、成長する機会として日経を読んでほしい」と考えた。
- 課題
-
- 社員には毎月1回、記事に対して自分なりの仮説や考察を入れたレポートを提出してもらっているが、取組み当初は難易度も高く感じられ、社員からの抵抗の声も少なくなかった。
- 効果
-
- 社員からは「日経を読むようになってから、世の中を見る視線が変わってきた」「たまたまご一緒した方に不意に株や経済、政治の話を振られた時、自分なりの考えを持って話すことができた」などの声が寄せられるようになった。また、仕事においても、ディスカッションの場で、以前に比べて一歩を踏み出す発言や自分なりのアウトプットをしようとする人が増えたと感じている。
人々が生活する上でなくてはならない、通信・放送・電気のインフラを陰から支えている菱東産業。「お客様の困っている事に新たな製品開発や今ある技術を工夫して世の中に貢献する事」を目的に、お客様のニーズに信頼と技術でお答えしている。
「新聞を読め」といってもまず読まない
「読まなきゃいけない仕組み」で会社として成長の機会を提供
加藤氏:自分が社長になったばかりのころ、日経新聞を読んで成長の役に立ったと実感した経験があります。それを「社員にも学ぶ機会、成長する機会として提供したい」と考えるようになりました。
とはいえ、20代の若い社員に「自分で新聞を契約して読め」と言っても、一歩踏み出すのは厳しい。私も初めは眺めることすら難しく、習慣づけるまで時間がかかった。だったら「皆が新聞を読める環境と成長出来る仕組みを会社が作ってしまえ」と考え、日経電子版の法人契約を行い、ライセンスを全社員へ付与しました。
ただ「新聞を読め」と呼びかけても、99%読まないだろうと思います。だから「アウトプットする」仕組みを作って、会社として成長の機会を提供しようと思いました。人間はインプットだけだと情報を得るだけになってしまいます。
より成長する為には、得た情報を自らの視点で考察しアウトプットする環境を整えれば、成長を促す仕組みになると考えました。
その仕組みとは、毎月1回、自分の気になった記事に対して自分なりの仮説や考察を入れたレポートを書いてもらうことです。
私は社員に「これは仕事だ」と言っています。日々の見積りを作ったり、お客様とやり取りするのも仕事。それと同じ様に「新聞を読んで経済分析のレポートを出すことも、仕事の1つだ」と社員全員に伝えました。
毎月のレポート提出を通じて、関心事への探求力・思考力・文章力を養う
フィードバックや他者の視点も新たな学びに
提出頻度:月に1回
ツール:word
字数:300字程度
内容:自分の気になった記事をピックアップし、その記事に対する自分なりの仮説や考察を入れた、感想文でないレポートを書く
※記事のジャンルは問わず、経済の話でも、新聞広告やスポーツ欄を活用してもOK
社員が提出したレポート1枚1枚には、社長がコメント(フィードバック)を記載しています。
加藤氏:私もやれと言うだけでは説得力が無いので、毎月発行する社内新聞『みらい通信』に、自分の経済分析も載せています。また、社員から提出された記事の中で、私が良いと思った記事を、私のコメントと共に掲載しています。選定基準は色々ありますが、1つの基準は私が「おもしろい」と感じたもの。素晴らしい分析が書かれたレポートだけでは面白くないので、どちらかというと、選んだ記事のおもしろさなど、”自分にない視点”や”読む人の興味を沸かせる”レポートを選んでいます。
社員から提出されたレポートの中から1〜2個選び、毎月社内新聞に掲載しています。
提出された記事は、全員分コメントを入れてフィードバックして社内サイト上に公開し、社員全員が見れるようにもしています。自分がどんな風にコメントされているか見たい、同じ記事の他の人の考察、違う視点が見れたらおもしろいという社員の声を受けて、全部オープンにしました。
社内新聞への掲載やひとりひとりへのフィードバック、他人の考察も閲覧可能にした事により、関心ごとの幅や思考が深まっていると感じています。このような仕組みで、私も毎月経済分析のレポートを書くようになったことにより、
- 自分の業務と関係のない領域のことも、興味をもてるようになった(関心事への探求力)
- 1つのことを深堀りして考える力がついた(思考力)
- 自分自身の考えをまとめる力がついた(文章力)
という、成長実感を持てるようになりました。
社員にもこの3つの力をつけて、社会人としてのステージを上げるための学びの場として活用してほしい、と思い取り組みを続けています。
はじめは社員からの抵抗の声も、
1年継続する頃には社員の様子が格段に変わるように。
柏戸氏:本取り組みの初期は、部下からの抵抗の声も少なくありませんでした。正直、なんでやるんですか…と
加藤氏:忙しいのに冗談じゃないよ!というオーラが社員から聞こえてきました。(笑)
柏戸氏:この取り組みが始まった時、着手から完了まで半日以上かかっていた社員もいたようです。普段新聞を読まない人が新聞を読み、印象に残る記事を選び、その要約と考察を300字以内でまとめる事は容易ではなかったようです。
しかし、回を重ねるごとに時間がだんだん短くなり、業務中に取り組む人が減るようになりました。もしかしたら、要約の構成を予め頭で組み立て、文字起こし作業を30分〜1時間で対応できるようになってきたのかな、と思います。
1年継続して慣れてきたのか、以前とは格段に様子が違うことを実感しています。
日経電子版の利用状況レポート(月次)も見ていますが、「嫌だな」と思っている社員は分かるんですよ。月に1〜2度しか電子版を開かない社員もいて、レポート内容と合わせて見ると、取り組みが辛いのだろうな、と感じた時もありました。
ただ、ここ最近の利用状況レポートを見ていると、日経電子版を開く日数もある程度増えており、レポート提出を続けるうちに「新聞を読むこと自体に、少し慣れが出てきて、初期の抵抗感は大分払拭されたな」という印象を受けます。
加藤氏:私自身も、社員のレポートに記入するコメント時間も、1日から2〜3時間に減ってきました。記事を読んでいたことで、的確に自分で文章を組み立てる力がついたのだと思います。自分も多少成長しているんだなと、ますます自分も頑張ろうと思いました。
物事の背景を感じとれ、自分なりの考えを持てるように。
発言力の強化など、業務にもプラスの効果が
加藤氏:社員から、
- 日経を読むようになってから、世の中を見る視線が変わってきた
- たまたまご一緒した方に不意に株や経済、政治の話を振られた時、自分なりの考えを持って話すことができた
と言って貰えた時は、日経を導入して役に立って良かった、と実感しました。
仕事においても、ディスカッションの場で、以前に比べて一歩を踏み出す発言が増えたと感じています。今まで発言が少なかった会議でも、自分なりのアウトプットをしようとする人や、より具体的な内容の発言が増えたことも感じます。
やはり、物事の関心の幅が広くなったことが見えない自信につながったのではないかと思っています。
成長実感があれば、もっと頑張ろうと思える
社会人としての自らの財産であり、将来へ向けての会社の財産に
加藤氏:私は、この試みを、新聞を読むことの定着や業績アップの手段としてやっているわけではありません。「社員が社会人としてのステージを上げるための学びの場」と捉えており、自身の成長が社会人としての自らの財産となり、将来に向けての会社の財産へとつながると考えています。
私もそうですが人は、他人から言われたことに関して自らが納得できる事であったり、得だと思ったりしなければやらないですよね。
だからこそ、最初は業務命令として「仕方がないな」と感じながらも、新聞を読み、レポート提出に取り組んでもらいます。それを積み重ねる事で、自らの成長につなげてもらい、その実感を得られるようにしています。
これらの取り組みを実施する上で、特に気を付けたのは、意義や目的を明確にして社員にきちんと伝えていったことです。そうすることで社員自らが目的意識を強く持ち、取り組みの本質に気付いてもらえるようにしています。
社員が取り組みの大切さに気づいてくれるまでは、時間はかかると思っていますが、自ら本質に気付き納得できた時には、びっくりする様な成果につながる力を発揮できるようになると信じています。
何よりも私自身が成長を実感でき、もっと頑張ってみようという自信につながって今の私があります。同じ環境で働く社員であれば、同じように体感してもらえると信じ、今後も真剣に取り組みを続けていってもらえる様に意義を伝えていきたいと思っています。
- 企業・団体名
- 菱東産業株式会社
- 業種
- 専門商社
- 利用用途
- 全社利用、人材育成
- 期待効果
-
- 社員のスキルアップ
- 発想力の広がり
- 従業員数
- 1~99名
- お話を伺った方
-
- 代表取締役社長 加藤 重信様
- 経営企画部長 柏戸 敬博様



