「良いモノを作っていれば売れる」からの飛躍。
日経電子版で“第三者の視点”を吹き込んで、組織に新しい文化を築く

- 企業・団体名
- カバヤ食品株式会社
- 業種
- 製造業(菓子製造販売)
- 利用用途
-
- 主に社内・社員への情報共有
- 期待効果
-
- 高い情報感度の醸成
- 情報の効果的な業務への活用
- 組織へのエンゲージメント向上
- 従業員数
- 500~999名
- お話を伺った方
- カバヤ食品株式会社
広報部
部長
山口 愛一郎氏
- 目的
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- 社会の動向を知らせて、組織内に刺激をもたらす
- 客観的な評価を知ることで、エンゲージメントを高める
- 課題
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- 「良いモノを作っていれば売れる」という意識が強い反面、社会の動きや評価への関心が希薄だった
- 「情報」の価値理解や活用への意識が不足していた
- 導入効果
-
- 各部門が自発的に契約を継続し、情報の有用性に気づき始めた
- 若手社員を中心に「もっと知りたい」という要望が出るなど、学習意欲が芽生えた
「タフグミ」「塩分チャージタブレッツ」「セボンスター」――。スーパーやコンビニに並ぶヒット商品を世に送り出してきた菓子メーカー、カバヤ食品株式会社。2024年のホールディングス体制からの独立を機に、専任の「広報部」を発足した。立ち上げを任されたのは、小売・食品業界で長年広報畑を歩んできた山口愛一郎氏。山口氏がはじめに着手したのは、日経電子版を活用し「外の世界の空気を社内に吹き込むこと」だった。取り組みのねらいと現場の変化について聞いた。
外の風を取り込んで、「良い刺激」をもたらしたい
2024年9月に広報部を新設されました。その背景をお聞かせください。
山口氏:これまでは「タフグミ」や「塩分チャージタブレッツ」といったユニークで強いブランドに支えられ、事業を成長させることができましたが、客観的にそのポテンシャルをみるともっと成長できるであろうと。経営陣がそのために広報の力が必要だと考えたことが部署新設の理由のひとつです。
また、現状では製品やブランドの知名度に比べて企業としての顔はあまり認知されていません。単独の事業会社として歩み始めるにあたり、「カバヤ食品」という企業ブランドそのものを世の中に浸透させ、信頼を獲得していく。これも広報部に課せられたミッションです。
そういった背景がある中で、各ブランド・製品の現状のポジションや評価を見れば、「良い製品を作っていれば売れる」という成功体験があるとも言えるでしょう。しかし「良い製品」かどうかを決めるのは、作り手ではなく、あくまでもお客さまです。そのためには社会で何が評価され、どのような製品が求められているのかを知ることが必要になり、それを知ればもっとお客さまに喜ばれる製品を生み出せるようになるだろうと考えました。
そうしたなか、広報部主導でリーダー層に日経電子版購読を勧めてきました。取り組みのねらいをお聞かせください。
山口氏:外の風を取り込んで、組織に「良い刺激」をもたらしたいという考えがあります。誠実にものづくりに向き合う姿勢は当社の強みですが、その一方で視線がどうしても製品ばかりに向きがちで、世の中の動きや変化に対する意識が希薄だと感じました。
メーカーはどうしても「『良い製品』さえ作れば売れるはずだ」と考えがちです。それは正しい考えですが、世の中で何が求められているのかを正確につかみ、期待の「先」にあるものを提供することで、より良いものづくりができるはずです。社会では今何が評価され、どのような視点が求められているのかのヒントを知らせるうえで、日経電子版は非常に有用だと感じました。
経済専門紙としての情報の質に、デジタルならではのスピード感
数あるメディアの中で日経電子版を選んだ理由をお聞かせください。
山口氏:やはりビジネス専門紙としての信頼性とデジタルならではのスピードです。情報過多の時代だからこそ、150年続く経済専門紙としての情報の質と信頼感は代えがたいものがあります。また紙の新聞を切り抜いて回覧していた時代と違い、電子版は共有のスピードや手軽さが段違いです。記事が出た瞬間に社内にシェアできる機能性は非常に魅力的でした。
どのように日経電子版を活用しているのでしょうか。運用体制を教えてください。
山口氏:現在は広報部以外のほぼすべての部門長が日経電子版を購読しています。とはいえ部門長が朝じっくり紙面を読み込むのは難しいため、並行して毎朝広報部が重要な記事をピックアップして配信します。事前登録したキーワードに基づいて自動収集された記事から、忙しいリーダー層が「今」押さえておくべき20〜30記事を広報部員の目で選定し、毎朝シェアしています。
広報部が、社会の動きを知らせるハブの役割を担っているのでしょうか。
山口氏:そのとおりです。メーカーの広報は当然自社製品のPRに重きを置くものですが、そもそも社会で何が起きているのかを知らなければ、時を得た情報発信や製品開発はできません。社会の動向に目を配り、それを企業活動にフィードバックし、双方向のコミュニケーションを仲立ちすることもまた、広報の役割だと心得ています。それに同じ事象を伝えるうえで、第三者である報道を介した記事は社員の納得感を得られやすいという側面もあると思います。
細かな人事情報も拾い上げてシェア。情報への関心を高める種まき
どのような記事を選定しているのでしょうか。
山口氏:自社や競合他社の動向はもちろん、食品・小売業界、マーケティング、国内経済から米国・アジア情勢、さらにはガバナンス・コンプライアンス・人事まで押さえるべき話題は多岐にわたります。
最近では大手飲料メーカーのサイバー攻撃に関する報道を、弊社の危機管理に直結した話題として継続的に共有しました。また細かいところでは営業部門向けを意識して取引先である小売・流通業界の人事異動の情報なども積極的に共有しています。そこでは役員や部長人事だけでなく、店長の異動情報も拾い上げます。
これらの情報は、うまく生かせば業務の成果や効率化に直結するでしょう。もちろんまだまだ全員が記事をうまく活用できているわけではないですが、その価値に気付いてもらえるよう、粘り強く発信を続けています。
現在は、情報への関心を高めるための種まきというわけですね。
山口氏:そのとおりです。実は当初、日経電子版は1年間、トライアルとしての立て付けで、各部門長に読んでもらっていたのですが、更新時に各部署の予算で契約してもらう形に切り替えました。正直なところ継続する部署はそこまで多くないと思っていたのですが、結果はすべての部門が継続契約し、さらにID数を増やしたいという要望までありました。こちらの想定以上に、自主的に日経電子版を契約しようとしてくれた。これはうれしい誤算でしたね。
若手にはギフト活用で記事を配信。「知る意欲」の広がりに手応え
アカウントを持っていない一般社員へはどう働きかけていますか。
山口氏:「これは読んでほしい」と思った記事については、日経電子版のギフト機能を使って、全社で共有しています。部門長に送る記事は経営やビジネスに関連するテーマが中心ですが、全社共有する際は比較的読みやすく、新聞を読み慣れていない若手社員でも関心を持ちやすい話題を取り上げるように心がけています。
当然自社が取り上げられた記事については、積極的に発信します。自分たちが手掛けた製品や取り組みが社会から認められたという事実は、社員にとって何よりの自信になります。信頼できるメディアを介して社会からの評価を社内に還流させることは、社員の仕事への誇りを醸成するインナーブランディングそのものです。また広報としては、メディアにのった情報が届いた社員の家族や友人などからの「見たよ」のひと言とそこから生まれる会話が、社員のやる気に大きくつながるということも意識しています。
日経電子版の導入後、印象的な変化はありましたか。
山口氏:先日全国の営業拠点をまわる機会がありましたが、現場の社員数名から「ニュースの共有が勉強になっている」という声を聞くことができました。またアカウントを持っていない若手社員から「この記事を読みたい」などの問い合わせが来ることも増えてきました。これまでは情報に対して受動的だった社員が、自ら社会の動向に興味を持って「もっと知りたい」と手を挙げてくれる。こうした「知る意欲」の広がりに手応えを感じています。
社会との接点を増やし、外へのまなざしを文化として根付かせたい
今後の展望をお聞かせください。
山口氏:現在はまだ、広報部から「この記事を読んでみよう」とプッシュしている段階ですが、この先の理想は社員一人ひとりが率先して情報を取りにいける状態です。誠実なものづくりに加えて、外へのまなざしがカバヤ食品の文化として根付いていくよう、日経電子版のような信頼できるメディアを活用し、社会との接点を増やし続けていくつもりです。

- 企業・団体名
- カバヤ食品株式会社
- 業種
- 製造業(菓子製造販売)
- 利用用途
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- 主に社内・社員への情報共有
- 期待効果
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- 高い情報感度の醸成
- 情報の効果的な業務への活用
- 組織へのエンゲージメント向上
- 従業員数
- 500~999名
- お話を伺った方
- カバヤ食品株式会社
広報部
部長
山口 愛一郎氏



