不確実性にチャンスを見いだす。キリンのインテリジェンスが支える「リスクと戦略の一体化」

企業・団体名
キリンホールディングス株式会社
業種
酒類、ヘルスサイエンス&飲料、医薬事業
利用用途
  • 経営陣、インテリジェンスチームで利用
  • 国際情勢の把握
期待効果
  • 変化の兆候を把握し、新たな戦略につなげる
  • 経営陣の議論やコミュニケーション円滑化
従業員数
2000名以上
お話を伺った方
キリンホールディングス株式会社
常務執行役員 濱 利仁氏
執行役員 経営企画部部長 中尾 智三郎 氏

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目的
  • ビジネス環境の不確実性の高まりを受けたインテリジェンス機能の強化
  • 国際情勢に関する多角的な知見を養い、経営戦略の精度を高める
課題
  • 従来の市況分析では国際情勢や規制の背景まで捉えきれなかった
  • インテリジェンスチームと経営陣が密にコミュニケーションを取るための基盤が必要
導入効果
  • 編集部が厳選し翻訳をした記事が配信されるため、多忙な経営陣が購読を習慣化しやすい
  • 日本の新聞とは異なる欧米視点での論考や考察が充実しており、海外で起きている出来事の背景を読み解ける
  • エビデンスに基づいた記事が多く、客観的な議論の土台固めとして有益

地政学リスクが顕在化し、ビジネスの前提が一晩でくつがえる時代。不確実性が高まるなか、キリンホールディングスは、インテリジェンス機能の強化を進めている。2024年10月には経営企画部内にインテリジェンスチームを新設したほか、同チームと役員を対象にNIKKEI FT the Worldを導入した。導入のねらいや活用状況についてお話を伺った。

「山の向こう」の兆候をいち早く捉える

近年はインテリジェンス機能の強化に注力しています。その背景を教えてください。

中尾:キリングループは「酒類」事業に加え、「医薬」「ヘルスサイエンス&飲料」を合わせた3本柱で事業を展開しています。従来は各事業部がそれぞれ大麦や大豆などの市況を追っていれば、事業の予見性はある程度保てていました。しかし米国の第二次トランプ政権誕生によって、ビジネスの前提が大きく揺らいでいます。関税や規制が瞬時に変わり、かつ複雑な因果関係を伴って経営に影響を及ぼすようになりました。

この不透明な時代を乗り切っていくには、足元だけでなく「山の向こう側」で今後起きるであろう変化の兆しを感じ取る必要があります。「風が吹けば桶屋が儲かる」と言いますが、風が社会にどのように波及していくのかを見通す視座が求められています。そこでインテリジェンス機能の強化を図るべく、経営企画部に専従のインテリジェンスチームを設置。さらにインテリジェンスチームと経営陣が密にコミュニケーションを取る土台としてNIKKEI FT the Worldの購読も開始しました。現在はインテリジェンスチームと全役員で購読しています。

濱:さまざまな情報を集めて分析し、世界の不確実性を踏まえた戦略につなげていく「リスクと戦略の一体化」は我々が今まさに取り組んでいる課題ですが、その入り口に位置するインテリジェンス活動はまだ始まったばかり。インテリジェンスチームと密に議論をするために、経営陣もまた国際情勢への見識を養う必要があります。まずは接する情報の質と量を充実させるためにNIKKEI FT the Worldを取り入れています。

そもそも我々はリスク、つまり不確実性を「避けるべきもの」とは考えていません。不確実性には脅威と機会の両面があり、変化の方向性も見えない未来に向かって持続的に事業を成長させていくには、一定程度のリスクテイクは不可欠です。ただしその際には、不確実性がどこに起因し、どこまでならその影響を受け入れられるのか見定めておく必要があります。自分たちのリスク許容度を定義するための材料を提示するのが、インテリジェンスだと考えています。

質の高い日本語で、世界の動向を読み解ける

多くのグローバルメディアがある中で、なぜNIKKEI FT the Worldを採用したのでしょうか。

中尾:NIKKEI FT the Worldでは編集部が厳選した記事が日本語に翻訳された状態で毎朝届くため、わずかな時間でも国際情勢をインプットできます。多忙な役員らが記事に目を通す時間には限りがありますから、読むべきニュースがピックアップされているのは助かります。

グローバルメディアにはそれぞれ特徴がありますが、中でもNIKKEI FT the Worldは、事実の裏側にある歴史的背景や学識者の視点を織り込んだ見立てを持っている点に独自性を感じています。例えば2024年の米国移民局による摘発に関する記事では、事実の報道に終わらず「なぜこのエリアで、あえてこのタイミングで摘発が行われたのか。それは意図的なメディア露出ではないか」といった政治の意図を読み解く視点が提示されていました。事実ベースの報道や日本人の感覚だけでは到底たどり着けないものです。FTは英国のメディアですが、日本の新聞とは異なる論調、見立てがあるのも面白いですね。

(トランプ氏の州兵ロス派遣 挑発は支持基盤強化が狙い)

濱:一つの事象の背景を自分なりに解釈できていると、そのほかのニュースも単なる「点」ではなく、つながった「線」として捉えることができるようになります。先日、NIKKEI FT the Worldで資源資本主義に関する論考を読み、今後は中国を外したサプライチェーン構築が現実味を帯びていくと考えるようになりました。すると後日、米国が同盟国と鉱山資源のネットワークを構築するというニュースが報じられたのです。まさに「点」が「線」でつながった瞬間でした。こうして国際情勢に関する自分なりの見識を養っていけば「やはり世の中はこの方向に動くんだな」という確信を持って、次の一手を打てるようになるでしょう。これはNIKKEI FT the Worldがもたらす大きな価値だと感じます。

(新たな「資源帝国主義」の時代(上)The Big Read: US politics & policy)

エビデンスに基づいた記事を踏まえて、効率的に議論できる

普段の業務のなかで、NIKKEI FT the Worldをどのように活用されていらっしゃいますか。

濱:私個人でいえば、記事を音声で視聴できる機能を便利に使っています。ニュースを聞きながら移動できるので、スマートフォンに触れない時間にも効率的に情報収集できるようになりました。最近では役員同士で会話をしていると国際情勢の変動について自然に話題に上るようになっています。時折、私もFTの記事の受け売りをネタに会話します(笑)。またグラフなどのエビデンスに基づいた分析記事が多いので、客観的なデータを土台に、効率的に議論をスタートできるようになりました。

中尾:インテリジェンスチームではNIKKEI FT the Worldを含めたあらゆる媒体から情報収集し、AIも活用しながらその影響を読み解き、戦略へと繋げています。例えばWHOでの砂糖税を巡る議論や各国要人の動向などが、飲料事業やヘルスサイエンス事業にどのように波及していくのかなどの分析です。それらを正しく見極めるには、法律や制度の理解はもちろん、各国の価値観や慣習、周辺諸国の情勢などの背景事情を理解しておく必要があります。その点で、独自の論考や解説が充実しているNIKKEI FT the Worldの記事は非常に有益だと感じています。

不確実性を恐れず、正しくリスクを取って踏み込む

インテリジェンス活動を通じて、どのような経営を目指していきますか。

濱:キリンホールディングスが掲げるCSV(Creating Shared Value)は、社会課題の解決を通じて、社会的価値と経済的価値を同時に達成する、新しい価値創造の挑戦です。このCSV経営を成し遂げるには、組織全体が「不確実性を恐れず、正しくリスクを取って踏み込む」文化が欠かせないでしょう。そこでインテリジェンスの果たすべき役割は「このリスクがあるからやめておこう」とブレーキを踏むことではなく、将来のリスクを見据えたうえで、一歩を踏み出すための判断基準を示すこと。会社が「不確実性を踏まえた上で、あえてここに踏み込むんだ」と具体的に示すことは、社員の挑戦を後押しする強力なメッセージになるはずです。これからもNIKKEI FT the Worldなどのツールを活用してインテリジェンス機能を強化し、リスクと戦略の一体化を推進していきます。

企業・団体名
キリンホールディングス株式会社
業種
酒類、ヘルスサイエンス&飲料、医薬事業
利用用途
  • 経営陣、インテリジェンスチームで利用
  • 国際情勢の把握
期待効果
  • 変化の兆候を把握し、新たな戦略につなげる
  • 経営陣の議論やコミュニケーション円滑化
従業員数
2000名以上
お話を伺った方
キリンホールディングス株式会社
常務執行役員 濱 利仁 氏
執行役員 経営企画部部長 中尾 智三郎 氏

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