シンクタンクとして積極的な情報収集に日経電子版Proを活用
研究分野の議論を深め、若手研究員の知識の底上げにも

- 企業・団体名
- 株式会社リコー リコー経済社会研究所
- 業種
- シンクタンク
- 利用用途
- 部門利用
- 期待効果
-
- 社員のスキルアップ
- 発想力の広まり
- 従業員数
- 1~99名
- お話を伺った方
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- 所長 早﨑 保浩様(元日銀総務人事局長、元農林中央金庫国際戦略常任アドバイザー)
- 研究員 河内 康高様
- 目的
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- 各研究員に対して、同じ条件で提供でき、全員に喜ばれ、かつ研究所としても意味あるものとして、日経電子版を導入した。
- 若手研究員が経済・社会を研究するための基礎的な知識を身につけるツールとして、日経電子版を導入した。
- 課題
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- リモートワークで働く環境が個人任せになってしまい、研究員からは研究環境改善の要望が出ていた。自分が取り残されるような不安を感じていた人も出ていたのではないかと考えられた。
- 若手研究員の育成に課題を感じていた。基本的な経済ニュースに日々接することで、世の中の動向に対する感度を高め、基礎知識を底上げしてほしいと考えていた。
- 効果
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- まずは一部メンバーから試験的に導入したところ、皆の満足度が高く、紙面ビューアーを見たいとの声もあったので、日経電子版Proのライセンスに拡大してメンバーに付与した。
リコー経済社会研究所は、ビジネスとサスティナビリティを軸に広く経済社会を研究し、株式会社リコーの経営陣にアドバイスを行う同社のシンクタンク部門。経済研究の専門家が在籍するほか、社内各部門から常時数名の若手社員を受け入れ、育成する機能も持つ。部門内で編集する広報誌「HeadLine」やWEBサイトで研究成果を発表している。
リコー経済社会研究所は、経済、デジタル・技術、経済安全保障などのほか、同社が使命と目指す姿として掲げる「“はたらく”に歓びを」とも関連した「働き方」を研究分野とすることが特徴だ。2020年以降のコロナ禍では、同研究所自身も働き方に大きな影響を受けた。これが日経電子版の導入理由のひとつにもなっているという。その経緯と現在の活用状況について話を聞いた。
リモート環境下での研究環境改善に。
高い満足度と紙面ビューアーへの要望から、日経電子版Proを選択
早﨑様:私たちは「経済」「デジタル・技術」「経済安全保障」「環境経営」「企業行動」「働き方」の6分野について、さまざまな情報を収集・分析し、将来の予測や経営陣へのアドバイスを行っています。
特に「働き方」の研究については、もともとOA機器から働く人を支えてきた企業として、この先10年20年を見据えたときに人々が幸せに働くためにどうするべきかという観点で行っています。
今年1月、弊社を含めた国内8社を共同発起企業として「はたらく人の創造性コンソーシアム(https://creativity-consortium.ricoh/)」を設立しました。働き方というと「生産性」「エンゲージメント」の方向からは既にさまざまな研究が行われていますが、「創造性を高める」という方向での研究はほとんどありませんでした。イノベーションの元となる創造性を生み出すにはどうすればいいのか、各社と共同で検討し、この9月に中間報告書を発表する予定になっています。
日経電子版導入のきっかけについて教えてください。
早﨑様:コロナ禍になる前は、他の多くの企業と同様全員が出社しており、部署で購読している全国紙・専門紙をみんなで読んでいました。紙の新聞は読むために順番待ちが発生していました。しかしコロナ禍で出社制限され、紙の新聞を読むこと自体が難しくなり、共通のプラットフォームが失われてしまっていました。 もう一つ我々として課題になったのが、若手研究員の育成でした。研究所では社内の他部門から30代前後の社員を常時数名受け入れ、数年間育成して、また他の部門に戻って活躍してもらうという機能も担っています。しかし、彼らはもともと経済の専門家ではありませんから、まず経済・社会を研究するための基礎的な知識を身につけてもらう必要があります。そのためには日々さまざまな情報に接して物事を知り、かつ疑問があれば先輩に聞いたり読むべき記事を教えてもらったりするような環境であることがもっとも簡便です。従来では対面で教えることが出来ていましたが、リモートでは、新聞などの情報収集の方法についてそれぞれの研究員に委ねられていたため、新聞を読んでいる人と読んでいない人の知識のばらつきがでていました。
その意味でも、リモートワークで働く環境が個人任せになってしまった影響は大きかったと思います。自分が取り残されるような不安を感じていたのではないでしょうか。
そういった課題から、日経電子版の導入をご検討いただいたのですね。
早﨑様:そうです。研究員からは研究環境改善の要望が出ていたのですが、各々自宅の環境が異なる中で同じ条件で提供でき、全員に喜ばれ、研究所としても意味あるもの、と考えると選択肢になるものは少なく、日経電子版はニーズにあったサービスでした。
電子版なら出社しなくても読むことができ、特に若手には基本的な経済ニュースに日々接することで世の中の動向に対する感度を高め、基礎知識を底上げしてほしいと考えました。また、私たちにとっては特集記事も注目するポイントです。記事の内容はもちろん、日経新聞がいま何に着目し、力を入れて書いているのかということ自体が、経済社会を研究する上で大事な情報になるからです。自分の研究分野に関わることであれば当然読みますし、直接関係ないことでもそのテーマに関する全体観を掴むことができるので、若手に限らず私自身も関心を持って拝読しています。
まずは一部メンバーから試験的に導入したところ、皆の満足度が高く、紙面ビューアーを見たいとの声もあったので、Proのライセンス拡大をご相談しました。
紙面ビューアーと日経電子版アプリの良いとこ取りで、効率的な情報収集を有識者の見解や先行研究を求める際も、日経を参考に
河内様:私は「デジタル・技術」分野の研究と、季刊の広報誌「HeadLine」の編集を担当しており、そのどちらにも日経電子版が役立っています。私は、紙面ビューアーと日経電子版アプリを利用していますが、紙面とデジタルの良いところが融合している、と考えています。
紙面ビューアーでは、各面のレイアウトからその日の記事の優先度が把握でき、さらに見出しを読めば各記事のポイントがある程度わかります。これは日々の動向チェックに最適で、いま何が重要なのか、という全体観を把握することができます。紙面は文字数に限りがある分、記者が本当に伝えたいことやトレンドを意識して書いていらっしゃるので、重要なポイントを把握しやすいです。
一方、日経電子版のアプリはキーワードで過去記事を検索したり、掘り下げたりする際に便利です。現在までの経緯を時系列で整理したり、各記事に対して投稿される専門家のコメント(注:Think!)も、見方を広げる参考にしています。
以前は、紙の新聞をパラパラと眺めていることも正直多かったですが、同じ記事でも紙面と電子版を見比べた時に削除されている項目もあり、それらを読み取るうちに「記者が伝えたいことの優先順位付け」の視点が分かるようになってきました。
日々の仕事に活かしている事としては、季報では、紙面から読み取れる日々のトレンドを次の取材内容の参考にしたり、デジタル・技術分野の研究では、紙面の見出しから重要なキーワードを把握することに役立てています。
有識者の見解や先行研究(一次情報)を求める場合には、日経新聞が同じようなテーマでどんな専門家に取材しているのかも参考になります。日経が取材した専門家は信頼できると考えて、その方の著書や論文を読んだり、大学教授なら研究室のホームページを調べたりして研究を深めています。
日経電子版の導入が働き方の研究にも好影響
「生産性」「エンゲージメント」「創造性」に寄与する使い方を実現
早﨑様:最新のニュースについて研究員の共通認識ができた点は大きかったと思います。「あれ、今朝のニュースに出ていたよね」で話が通じるので、すぐ本題へ入れます。自社の記事や研究分野に関連する記事があれば、コメントをつけてメンバーと共有しています。ただ、この点についてはもっと活用の余地があるとも感じています。機能というよりは、使いこなす上でのマインドセットの問題ですね。まだ主張することに遠慮がちな人が多いので、積極的にシェアする姿勢を根付かせていきたいところです。
また、私たちがテーマとしている「働き方」の研究において日経電子版の導入は役立っています。
簡便に情報収集できるようになることでの「生産性」、研究環境の改善要望に応えることで「エンゲージメント」の向上につながることはもちろんですが、「創造性」にも結びついていると感じています。
創造性については、私はこれまで一部の天才が持っているものという印象を持っていたのですが、実は世の中のほとんどはそうではなく、普通の人の手によるものなんですね。ただ、突出したアイデアを得るには、幅広い知識知見に学びながら実際に手を動かしたり議論を重ねたりすることが必要です。知識が多いことは、創造に結びつく十分条件ではないものの必要条件の一つであると考えるようになりました。その意味では、情報量の底上げとなる日経電子版は創造性にも寄与するものと言えるでしょう。
日経電子版の今後の活用について、お聞かせください。
早﨑様:最初にも述べたように私たちは現在6つの研究分野を持っていて、それぞれに重なる領域があり、多角的な見方が求められます。ですから、ある記事に対してより一般的に、あるいは抽象的に意味をとらえて、関連のあるユニットと共有し、そこから議論を深めていけるようになれば理想的だと思っています。また、そういうことができる若手を育てていきたいと思います。
河内様:私は研究分野との関連で、「日経クロステック」の記事など専門的な媒体の記事にも期待しています。
純粋に読む側としては、やはり特集記事の掘り下げの深さや、どんなテーマを選ぶのかという点も楽しみなところです。新聞として、そういう記事を大事にしていただけると嬉しいですね。
- 企業・団体名
- 株式会社リコー リコー経済社会研究所
- 業種
- シンクタンク
- 利用用途
- 部門利用
- 期待効果
-
- 社員のスキルアップ
- 発想力の広まり
- 従業員数
- 1~99名
- お話を伺った方
-
- 所長 早﨑 保浩様(元日銀総務人事局長、元農林中央金庫国際戦略常任アドバイザー)
- 研究員 河内 康高様



