日経電子版セミナーレポート|
戦略思考を磨く方法を徹底解説!マーケティング思考を磨くためのインプット術とは?
日経電子版法人イベント事務局では、マーケティング・企画部門に所属している方向けに、「戦略思考を磨く方法を徹底解説!マーケティング思考を磨くためのインプット術」を開催しました。
このレポート記事では、本セミナーの内容を抜粋してご紹介します。
マーケティング戦略・戦術を最適化させるために、どのようにマーケティング思考を磨いたらよいのかについて、ブランディングテクノロジー株式会社執行役員CMOの黒澤友貴さんにお話いただきました。
スピーカー
黒澤友貴 (ブランディングテクノロジー株式会社 執行役員 経営戦略室 室長)
1988年生まれ。新卒でブランディングテクノロジー株式会社に入社。
中小・中堅企業向けにデジタルマーケティング領域のコンサルティングを6年間行う。
現在は自社の経営戦略策定、ノウハウ開発、人材育成などの役割を担う。社外では「日本全体のマーケティングリテラシーを底上げする」をミッションに1,500人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ(マーケティングトレース)を運営。
Company:https://note.mu/tomokikurosawa
Twitter:https://twitter.com/KurosawaTomoki?lang=ja
1. 情報のインプット・アウトプットを効率的にバランスを行う
普段行っているインプットの習慣について整理してみました。
縦軸が、「まとまった時間」か「スキマ時間か」
横軸が、「編集された情報=メディア発信」か、「生の情報=人が発信」か。
マーケティングの業務やプロジェクトに情報を紐づけて、これらの内容をバランスよくインプットをすることを意識しています。
さらに、同じようにアウトプット法もフレームワークで整理しました。
普段からSNSを使って発信をしており、アウトプットを習慣させなるべく決まった間隔で行うようにしています。
インプットした情報を自分なりに理解し、アウトプットすることでさらに学びを深める。
SNSなどを通じたアウトプットが、新しい人との出会いや発見につながる点も、大きな効果の一つです。
2. 記事をマーケティング視点で読む-要約と連想ー
記事を読む際に、
「What」何を読むか?よりも、
「How」どう読むか?のほうが大事です。
特定企業のニュースを深く読むプロセスについて、自分なりに
普段やっているマーケティング思考をご説明します。
記事を単体で読んだだけでは、マーケティング戦略とはまだ遠いですよね。
情報というのは、「要約」をして、「連想」し、
組み合わせることで、初めて意味をもつと考えています。
記事を読んだときに、マーケティング観点で「要約」して「連想」するには?
たとえば、日本人クリエイターがたった1人で開発して世界中で脚光をあびている
経営シミュレーションゲーム「Coffee Inc 2(コーヒーインク2)」のニュースです。
濃すぎる経営ゲーム「Coffee Inc 2」 有料アプリ1位に - 日本経済新聞 (nikkei.com)
記事を要約
つまり、どういうことが言えるんだろうか?と自分なりに解釈をしてみます。
このゲーム開発をフレームワークで分類すると、
「大手のゲーム会社ではできない開発を研ぎ澄ませていったニッチャー」といえます。
記事から連想
さらに類似ケースはないか?と連想してみると、
スープ専門店の「Soup Stock Tokyo」のスマイルズは
自分が欲しいもの、N-1分析を起点に企画をするという点でプロセスが似ています。
「10案ずつ原体験を話す」 スマイルズ、ヒット企画生む4ステップ:日経クロストレンド (nikkei.com)
つまり、日経の記事を読んだら
1.フレームワークで分析・解釈する
2.他の記事を比較・統合して理解を深める
ことで、ニュースのインプットからマーケティング思考を学ぶことができます。
3. ニュースを複眼的に読むことでマーケティング思考を磨く
テーマ記事は良品計画です。スキンケア品が好調というニュースでした。
良品計画の9〜2月期、純利益2.1倍 スキンケア品好調 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
気になった記事があったら、自分の中で記事を読みながら
「問い」を作ってみる。たとえば、
このような問いです。
その後、記事の関連情報を探索して、理解を深めていく行動に移ります。
「周辺探索」
これは、同企業の記事(良品計画)を日経電子版で検索し、並び替え機能を使って、
過去の記事でどのように戦略が紹介されているかを確認します。
また、競合他社の記事も検索して読んでみます。
「背景探索」
そもそも、記事に書かれていないが、同企業(良品計画)が大切にしていることが何か
決算説明資料(IR)で何をしている情報=戦略意図が何かを把握します。
このように記事の理解を深めた上で、
さらに「マーケティング思考を高める筋トレ」として、
フレームワークを使って自分なりの仮説立てを行います。
フレームワークで整理をすることで理解が深まり、
さまざまな企業の戦略を自分なりにストックすることができます。
さらに「アイデア提案」の項目は、自分だったら、何を考えるか?
アウトプットしてチームに共有するのも良いですね。
4. PEST分析をマーケティング視点で解釈する
ブランドを取り巻く事業環境がどのようになっているのかを理解するために4つのフレームワークを使っています。マーケティング戦略を考える上で、一番王道の方法ですね。
フレームワークは僕はニュースを深く読むための「レンズ」だと思っています。
活用することでニュースの背後を探ったり、自分なりの仮説を立てやすくなりますので、しっかり身に着けることをおススメします。
この中でも外部環境分析「PEST分析」の活用についてご説明します。
PEST分析はよくご存知の方もおられると思います。外部環境自体の分析を行うフレームワークです。
当然、個々の要素の情報を洗い出すだけでは意味がなくて、自社ブランドに対して、政治の観点での圧力や、経済市場の変化など、どういう要素が関係してくるのかを分析したうえで、戦略方針を作っていく。
このようなトレンドが起きているから、このようなうち手をすべきではないか、と仮説立てをするところまでが、PEST分析を活かすポイントです。
外部環境の分析をする上で、ニュースを読むときにも意識したいポイントがあります。
コトラーが提唱したものですが、ある変化が一過性の流行であるファッド(Fad)なのか、長期的なトレンド(Trend)なのか、という視点で2つに分けて考え、しっかりトレンドというものを見極めることが重要です。
日経電子版には「期間並び替え機能」がありますので、私自身も社会や市場トレンドの変化を読み取る際には愛用しています。
実際にPEST分析を活用して、特定のニュース記事から少し深掘りして読み解くときに使っているテンプレートをご紹介します。
例えば、2010年と、2024年を比較し、トレンドがどのように変化し、ブランドにとって重要な環境変化が何だったのかを時間軸を長くして分析します。
たとえばスキンケアの記事を、期間を並び替えて、過去のニュースを見てみます。
1つの記事だけ見ると、その時のトレンドしか分かりませんが、
過去の記事を比較することで、すぐに終わった短期流行(ファッド)なのか、10年続くトレンド(クラシック)なのか、把握することができます。
無印良品のニュースをこの方法で2010年ー2024年を比較したときに、2010年のリーマン・ショック後の投資抑制とか、円高から円安への変化、そして中国市場との兼ね合いなど、無印良品がスキンケアカテゴリを伸ばしてきた背景を読み解くことができます。
また2010年にすでにソーシャルメディアを活用していましたが、地道に進化させ、現在のSNSコミュニケーションの優位性につながっていることもわかります。
ご自身の所属業界や何か分析したいテーマがあれば、時系列を長くして分析することで外部環境の大きな変化や気づきにつながります。ぜひトライしてみてください。
5. STP分析でブランドがなぜ選ばれるのか分析する力を磨く
STP分析はマーケティングの基本フレームワークです。
すでにお使いの方も多いのではと思いますが、ここで改めて解説をさせていただきます。
S=セグメンテーション市場どう分け、
T=ターゲット・重点顧客をターゲティングし、
P=重点顧客にどのようにブランドを選んでほしいのか、競合との違いが何かを整理をしていく。
誰に、何を提供するべきかを定義するのに役立つフレームワークです。
ではどういった観点で分析をしていくとよいのか、
普段私が取り組んでいる方法をお伝えします。
日経電子版では「日経会社情報デジタル」の情報を閲覧することができるのですが、
STP分析にはこの「プレスリリース」機能をよく使います。
プレスリリースの閲覧自体は他のサイトでもできるのですが、
産業別にプレスリリースを絞り込んだり、
たとえば「スキンケア」など、特定キーワードで絞り込みをかけることができる点がいいところですね。
基本的なニュース記事と、このプレスリリースを合わせ読みをしながら、
調べようとしている企業(=トレース企業)が、なぜ競合と差別化できているのか、
なぜ選ばれているのか読み解いていくようにしています。
たとえばスキンケア業界において、
「どの客層に、なぜ選ばれているのか?」を自分なりに整理してみました。
このようにニュースやプレスリリースからターゲット業界を整理することで
ブランドがなぜ選ばれるのか、理由を分析することができます。
最後にポジショニングです。
売り場も多様化していますし韓国コスメなども台頭してきています。
さきほどの分析をもとにポジショニングマップを作成しました。
今年の定点だけでなく、たとえばこのポジショニングマップを10年前と比較すると
どのように変化してきたのか理解できます。
また将来的に今後どのポジションに位置していきたいのか、方向性を定める際にも
このフレームワークは有効です。
さいごに
マーケティングのフレームワークを正しく活用して、分析する習慣はマーケティング部門の方でもなかなかできていないポイントかもしれません。日経電子版で過去・現在を比較しながら、近視眼的ではなく鳥の目で事象を分析し、日々マーケティング思考力を磨くことが、チーム・組織としてのマーケティング力向上につながります。
企画部門、マーケティング部門、商品開発部門などで、日経の各メディアを利用したインプット・アウトプットのお手伝いが可能です。お気軽にご相談ください。
