洗足学園高等学校授業レポート

物価上昇時代に資産運用と経済を身近に

  • #教科横断
  • #高校
  • #パートナー企業
  • #PR
洗足学園高等学校授業レポート

物価上昇時代を生きる高校生へ 「資産運用」「経済」を身近に

 大和証券グループと日本経済新聞社は2025年7月16日、神奈川県の洗足学園高等学校で出張授業を開催しました。家庭科の授業の一環として「物価でつながるあなたと世界」をテーマに、ワークショップを織り交ぜながら、マクロ経済の知識を身近に感じてもらうための授業を高校2年生の約250人に実施しました。

日経電子版で「物価」や「円安」を探る

 「マンションの管理費がどんどん値上がりしているという記事がありました!」「私は参議院議員選挙で与党が劣勢なので円が売られているという記事が目に留まりました」――。生徒たちが次々に手を挙げて答えているのは、日経電子版から探し出した記事です。「物価」や「円安」、「賃金上昇」といったテーマの記事を探してほしいとの講師からの課題に対して、隣り合った生徒同士で相談しながら数分の間に手元のパソコンでいくつもの記事を見つけました。

日経電子版の記事に興味を示す生徒たち

 この日、講師を務めたのは大和証券の森本裕貴さんです。日経電子版の検索窓に3つのキーワードを入力していくと、経済やビジネス、政治、社会など多岐にわたる分野の記事が数え切れないほど見つかります。「物価上昇や為替の影響はそれくらい話題になっていてみんなの関心を集めていることだと知ってほしかった」と、記事検索の狙いを生徒たちに伝えました。

 「僕らと違って、今の子どもたちは物価上昇が定着する時代を生きている。経済のニュースを身近なものとして知識を身につけていってほしい」と、森本さんは考えます。高校生は一般に、自分の稼いだお金で頻繁に買い物をするわけではありません。なるべく伝わるよう、「過去3年間でマクドナルドのハンバーガーやポテト、チキンナゲットなどが70%も値上がりした」「2024年にはがきが30年ぶりに値上がりした」といった高校生に伝わりやすい事例をたくさん引用しました。

身近な事例を用いて物価上昇を説明する

物価上昇を多角的に読み解く

 円安・ドル高の進行も物価上昇を助長する重要な要因の一つです。森本さんは「2011年ごろから(輸出額を輸入額が上回る)貿易赤字が増えて円が下落するようになった」と伝え、貿易赤字になった理由を生徒に問いかけました。質問が投げかけられると生徒は周りの友人と活発に議論します。関東でも指折りの進学校とあり、聞こえてくる議論はとても鋭い視点で豊富な知識を感じさせます。数分後、一人の生徒が手を挙げ「東日本大震災の影響で国内で稼働する原子力発電所が一時ゼロになるなど、火力発電に頼る割合が増えたので石炭などを輸入しなくてはいけなくなったからですか?」と答えると、森本さんは「100点の回答です!」と笑顔でたたえました。

 物価上昇が必ずしも「悪」ではないという視点も大切です。モノやサービスの値段が上がれば企業の収益が増えて労働者の賃金が上がる可能性が高まります。手にする給料が増えれば消費が活発になり、経済成長につながると期待されます。森本さんは日本がつい数年前まで他国に比べて賃金が上昇しにくかった背景を説明する狙いで、世界各国の女性の労働参加率を比較した棒グラフを示しました。スウェーデンなど欧州各国に次いで女性の社会進出の進んでいる「A」、あまり進んでいない「B」がそれぞれどの国かを生徒に問いかけます。

講師の問いかけに生徒はどう考えるか

 生徒の多くは女性の社会進出が進んでいない「B」が日本だと手を挙げました。しかし実はAが日本でBはアメリカでした。正解を明かすと「えーーーー!!」と大きなどよめきが講堂に響きます。日本では他の先進国に比べても女性や高齢者といった「新たな働き手」が増えてきたこともあり、元々働いていた労働者の賃金を上げる必要性が米国などより薄かったと過去の経緯を説明します。現在ではその動きも一巡し、日本でもいよいよ賃金上昇の流れが定着しつつあります。

 賃金上昇を伴った物価上昇がみられる今の日本では、お金に対する考え方を見直す必要があります。物価が2%上がれば今100万円で買えるモノが1年後には102万円に値上がりして100万円では買えなくなります。物価上昇が続けばお金の価値がどんどん目減りしていくため、これからの時代を生きる高校生にとって資産運用が重要だと説きました。株式や不動産、債券など様々な金融商品がありますが、物価上昇の時代は企業の利益が拡大するので株式の価値が上がりやすい点をグラフを示して説明しました。

関心をもって講義を聞く生徒たち

経済が“自分ごと”になる授業

 質問時間には「円安・ドル高なのに米国が日本よりも物価上昇が進んでいるのはなぜか」「NISA(少額投資非課税制度)などでの資産運用を国が呼びかけているが、外貨建ての金融商品に投資することで円を弱くすることにつながらないのか」といった鋭い質問が投げかけられ、森本さんは着眼点や洞察の深さに感心しながら一つ一つ丁寧に回答しました。

生徒から本質を突く質問が出る場面も

 授業終了後、生徒たちからは「これまで物価上昇や円安が進行しているというニュースを見て知ってはいたものの、身近には感じていなかった。生活に密接に関わることなんだと知ってこれから意識していきたい」「現金のままでは資産が目減りすることがあると知って、お金を自分で稼ぐようになったら資産運用を始めたいと思うようになった」といった声が聞かれました。

 高校2年生の学年主任、羽田文教諭は「これまでの授業では物価や為替相場のリアルな動きやニュースの背景について伝え切れていなかったかもしれない。自分たちの生活とどう密着しているかがわかる授業だった」と成果を実感した様子でした。講師を務めた森本さんも「実感を持って資産運用の重要性を伝えたいと考えていた。授業のいろんなところで生徒たちが盛り上がって考えてくれて、興味を持ってもらえたことはすごくよかった」と話しました。

授業の内容に前向きな手応えを語る羽田先生

 今回の洗足学園高等学校での経験を生かしながら、大和証券グループと日経はさらに多くの教育現場で新しい学びを提供する取り組みを続けていきます。

大和証券グループ

授業者:大和証券 エクイティ営業部 森本裕貴氏

この記事を読んだ
あなたにおすすめ

Recommended for You